nithijyouのブログ

日常で書き留めた詩をつらつら載せる

自覚

こわかった

そうだと思うことが


居場所のない私に

手を伸ばしてくれた


だから

感謝しなきゃいけない

助けてあげなきゃいけない

言うことは聞かなきゃ

居場所がなくなる


いい子で

真面目で

優秀で

面倒見がよくて

優しくて

可哀想な子


って思って生きてきた


でも違う

そんな完璧じゃない

やりたいこと沢山あった

でも全部我慢して飲み込んで

18時の門限守って

勉強して

お手伝いして

そんな10代

お小遣いもなくて定期代ももらえなくて

必死にアルバイトした

お弁当も自分で作った

甘えることは許されなかった


機嫌の差が激しくて

いつも機嫌を伺うことばかりしていた


怒ったらなんで怒っているのかもわからず

口も聞いてくれない


だから

私が悪いんだって思うしかなかった


我慢するしかなかった


進学するお金ないからと大学も諦めた

専門学校に行ったけれど上手く行かなくて

退学は許してくれなくて

逃げた

死のうと思って逃げた

私が生きていても迷惑だと思って死のうと思った

死にきれなくて

保護されて

縁を切ると言われた


それでも何かと

声を掛けてくれた

私も悪かったと思った


父が病気で倒れた

父は再婚していた

継母とは不仲で

間にいつも挟まれた


継母とのやり取りはいつも私

継母の愚痴を聞かされるのもいつも私


継母が父の不倫相手で

目の前の修羅場をみてきたのも私


全部上手くいくようにって

気を使ったんだよ


心はボロボロだった


やっと少し柔らかくなって

話せることも増えたと思ったら


今度は借金抱えているって言われて

勝手に連帯保証人にされていて

意味がわからなかった


そしてお金のことを言う度に

逆ギレして

もうまともな会話もできなくなったね


私が心を壊して

体調が悪いって


そんな時に

誕生日が近いからプレゼント何が欲しいって聞いてきて


違うよ

借金は返済しているの?

そんなことに使うお金があるのなら

借金返済に使ってよ

私がプレゼント欲しがるとでも思ったの?


わかったよ

私は我慢していたんだって

本当は

甘えたかったし

話もしたかった

ただひたすらご機嫌を伺って生きてきた

自分のために

もうそんなしがらみは要らない


もう我慢しない

嫌だった

全部

本当に嫌で辛くてたまらなかった

私の10代

もう戻らないから


だからこれからは

もう関わらない


嫌だった

居てもいたたまれなくて

布団の中で沢山泣いた


自分の存在価値なんてない

と思うには充分だったよ



今やっと自覚している

お姉さん

あなたのことが怖かった

八重桜


何重にも重ねて

彩りを深くして

可憐に咲いている


春の終わりと初夏を匂わせ


今日も季節は移ろいゆく


綺麗だなと思って

撮影した

あの時の私の心は

もう既にいなくて


どんよりとした

部屋の片隅で

少しでも

華やかになればいいと思って

無理くり載せた


初夏の訪れ深くなる今


今日も私は虚ろいゆく

殺意

静かに

そっと足音を消して


憎しみも

悲しみも

この手に抱えて


不条理も

不平等も

理不尽も

指先に伝って


あなたに触れる

絞め殺そうか?

刺し殺そうか?

それとも嬲ってから

じわりじわりと責めようか?


お湯が沸く

コーヒーを淹れながら


今日もベッドに草臥れた

あなたを

静かな殺意で

手にかける


ほとほとに疲れた

この身で

あなたの顔を拭いて

歯を磨いて

髭を剃って

着替えさせて


この労働に価値すら見出せず

殺意と共に

朽ち果てる日常の片隅よ