nithijyouのブログ

日常で書き留めた詩をつらつら載せる

四面楚歌

言葉と言葉の間から

すりぬけ

気配と気配に

消されて

じっと

うずくまり

静かに耐え忍んで

それでも悪意に晒されて

抵抗もせずその場をしのぐ

それだけのことだ。

それだけのことなのに

それすらできないのかと自分を責めて

責めて

責めて

できない己を絶望の淵に貶めていく

貶めているのは、誰だ?

初夏の早朝

アスファルトに皮膚を擦り付けてまで

その人に追いすがった日の

熱も痛みも

とうに冷めてしまった

そのときに

冷めた熱があがらぬまま

未だに燻らせて

灰になりゆくこの身体

ある夜

凍るほどに冷たい水を

掬って

思い出す

白い塊

声もなく